絵の作業工程メモ/2012年1月 あちらこちらで絵のメイキングを見ていたら、自分でもやってみたくなったので(笑)。 要するにただ作業工程を晒してるだけで、目新しいものは余り無いかと思いますが。 よろしければお付き合い下さいませ。 絵は、今年の俺屍年賀絵の↑梵秀で行きます。 ■下準備■ まずは構想…設定や構図を練ります。漫画で言うならネーム切り。でも絵に関してはそのまま描き始めることもあります。 A6サイズの裏紙に思いついた構図や服のデザインを落書して、大体の構図を決めて行きます。 衣装はデザイン考えておく方が、後で色々迷わなくて済むので、ちょっとしたメモでも描いておきます。 …とか言って、描いてる途中で変える事も多いんですがね(笑) さて、構図が固まったら下描き。大体A4サイズのコピー用紙を半分に畳んでA5サイズにして描きます。 そして、下書きからそのまま清書とペン入れになだれ込みます(笑)。 下書きと清書の紙と別にされる方もいらっしゃいますが、私の場合一枚の紙です。面倒くさがりなんです…(苦笑)。 ペン入れの時に特に気をつけている事は、「出来るだけ丁寧に描く・線の切れ目を作らない」と言うことです。 色を塗り分ける時に範囲選択を使って塗るので、切れ目があったらいちいち線を修正しないといけないので。 あ、普段のペン入れに使うペンは、ハイテックの黒(0.25mmか0.3mm)です。 ■線画の修正■ 消しゴムかけが終わったら、スキャナで線画を取り込みます。 作業環境は以下の通り ・パソコン→NECのLaVieLの'05.4.モデルでLL750/CD1B(メモリ1GBまで増設済み) ・ペンタブ→ワコムの。ハガキサイズの。 ・スキャナ→キャノンのLiDE90 ・絵ソフト→sai1.1.0(メイン塗り)と、写真屋7.0(線画取り込みと加工) 冬場は寒いので床の上で作業します。座椅子欲しいです(笑)。夏場は画面左後ろにあるパソコンデスク使ってます。 さて、まずは写真屋に線画を取り込みます。 取り込み解像度は300dpi。特に印刷はしないのですが、スキャナの設定が300なので、そのまま300で取り込んでます。 元絵があまり大きくないので、大きいサイズで取り込んだ方が塗る時に、細かい所も塗りやすくて作業しやすいので。 最終的に解像度は、72まで落とします。 因みにこの解像度、印刷会社に印刷頼む場合は大体350dpiが望ましいとされております。印刷しない時は低くても良いかと。 拙宅の本の表紙を印刷する時は、そのまま300dpiで印刷しております。個人で刷るなら300でも割と綺麗に出ると思います。参考までに。 線画を修正します。 スキャン段階で入ったゴミや汚れと、後で修正しようと思ってた線画もちょちょいと修正して行きます。 ある程度の修正が終わったら、色調補正→レベル補正で調整して、線画を抜き出しレイヤー化… …えー…この辺りの細かい作業については他所様のメイキングサイトの方でどうぞ(詳しく説明出来ない/笑) ともかく、線画を抜き出したら、saiに移動します。saiの作業画面は↑のような感じです。 この段階でレイヤー数は、背景レイヤー(真っ白)と線画レイヤーの2枚です。 私は右向きの顔が歪みやすいので、チェックの為に反転ボタンでぽちりと反転… …ぎゃー!歪 ん で る ! 恥 ず か し い !! と、言う訳で梵秀の顔の部分を修正します。 新しいレイヤーを作成。青線で適当にアタリをつけて、黄色線で下書き。 その上にペン入れレイヤーを作成して、新しい顔を作って行きます。梵秀さんアンパンマン状態。 画面を左右反転させたりグルグル回転させながら描けるのが、saiの好きな所です。 元の線画を消したり継ぎ足したりしながら、それなりに完成したら、元の線画レイヤーに転写。更に修正します。 所でペン入れレイヤーのペンは好きなのですが、修正液があまり好きではなく、修正は通常レイヤーの消しゴムの方が好きです。 ■塗り■ ・下塗り さて、やっと塗り作業に入ります。 新しいレイヤーを一枚作って、くすんだ緑で塗りつぶし。これは単に白っぽい塗りの部分を見やすくする為の仮背景です。 重ならないレイヤー部分を塗って行きます。 基本は肌レイヤーが一番下で、徐々に上に着ているものを塗って行きますが…隣り合って無ければ適当に塗っています。 画面では、肌と角レイヤーが同じレイヤーで、髪と目と服が同じレイヤー。 出来るだけ塗りの隙間を作りたくないので、上に重なる部分には大胆にはみ出して塗って行きます。 塗り分けの時の色は、予定している色合いよりも薄めに塗ります。後から色を重ねるので。 とりあえずの塗り分け完了です。 線画・仮背景レイヤー含めて7枚位だったでしょうか。大体いつもレイヤー枚数は10枚は行かないです。 レイヤー1が、肌と角と梵秀の足袋、誓の竜帽子としっぽ レイヤー2が、髪と目、梵のズボンと腕輪、誓のスカートと上着の袖… …と言った具合で。細かい装飾品が大体一番上のレイヤーに来る事が多いような。 ・肌塗り 本格的な塗りに入ります。 塗りたいレイヤーの上に、新規レイヤーを作成。 そのレイヤーを「下のレイヤーでクリッピング」。こうすると下のレイヤーの部分だけはみ出さずに塗れるようになります。 写真屋で言う所の「下のレイヤーとグループ化」でしょうか。 そして、上のレイヤーモードを「乗算」…これは、好みで。乗算しない時もありますし。そのまま元の絵に塗る事もあるし。 筆(乗算)で、影をざっと塗って、水彩筆(多分、乗算)でざっとぼかします。基本的にこれの繰り返しです。 ある程度ぼかしたら、下のレイヤーに転写(+と↓のアイコン)。 「転写」は、レイヤーはそのままで、塗った部分だけ下に転写される機能です。どんどん転写しては塗って行きます。 二回目塗り→ぼかし 絵によっては、塗り色を濃い目にしたり、濃く塗りすぎたら、レイヤーの不透明度を薄くして転写したり。 大体3度位は塗ってはぼかし…をします。 最後にエアブラシ(乗算)で、髪の生え際や頬、目の淵や唇部分を更に濃く塗ります。 女の子だったら、エアブラシでピンクよりの色を頬と唇、まぶた部分に色を足します。男子は…まぁその辺は省略(笑)。 レイヤーモードを「乗算」から「スクリーン」に変更。 鉛筆かベタで光の当たっていそうな所に白をグリグリ塗ります。 そして、水彩筆で下の色と馴染ませながらぼかします。 肌塗り完成。 一番上に全体に灰色っぽい影を塗り重ねる時もありますが、今回は明るい雰囲気にしたいので、影は無しです。 ・服や小物の塗り 後は、基本的に肌と同じように塗って行きます。 服の模様は塗りながら適当に描き加えます。 宝石や貴金属は、肌や服よりも光をくっきりと入れるようにしています。 塗る順番は、肌→服や小物→目→髪。私は髪を塗るの大好きなので、髪は一番最後です。 今回の絵は肌を塗った後に、衣装の色を変更しました。 塗り分けの時に一番悩むのが服の色合いで…仮に色を置いてて、後で色々変えながら修正することはよくあります。 髪などを塗る時には、sai掲示板から落としてきた筆の「ネコ」と言う筆先効果を使っています。 通常の丸筆よりも細くシャープな感じに仕上がるので。おススメです。 そんなこんなで、髪と目以外は塗りあがりました。 ・目の塗り 目です。 これまた、クリッピングした乗算レイヤーに筆(乗算)で塗っては、水彩筆でぼかし…の繰り返し。 あまり塗りすぎると同じ色になるので気をつけつつ(笑) 瞳孔部分は特に濃く。エアブラシ(乗算)で全体を落ち着かせます。 目に光を入れます。 クリッピングしてるレイヤーモードは「スクリーン」。ベタか鉛筆で白をちょんちょんと塗ってぼかします。 更にペン先を細くして、光を重ねます。光が強すぎると思ったら、レイヤーの不透明度を下げて調整します。 …そのままのレイヤーに塗ってもいいのですが、クリッピングした別レイヤーで塗っていくのは、調整しやすいというのがあります。 目が完成…!しても、まぁ、縮小するとそんなに分かりませんよね(苦笑)。 ・線の調整と仕上げ …髪塗りは今回は飛ばして。(スクショ撮り忘れました…)(薄い髪色なのであまり凝ってませんし) 線の仕上げです。 そのままの線だと、色を塗りこんだ段階で浮いてしまうので、線もちょっといじります。 大体どの絵でも、髪と目は線画の色を変更します。 その後、線画レイヤーを「通常」のままで行くか「乗算」にするかは絵次第ですが、今回は乗算モードにしました。 個人的には、線は乗算モードの方が絵が落ち着くかな…と思います。 saiでの作業はここで終わりです。仕上げは写真屋です。 大体ここまでの塗りが終わった段階で、解像度を半分の150dpiに変更します。後は加工だけなので。 写真屋に移って、線画を更にいじります。 影になる部分を「覆い焼き」、光の当たる部分を「焼き込み」で線を調整します。…このツールはsaiに無くてですね…。 最後にエアブラシ(通常)で目に光を入れます。エアブラシも写真屋のが性能良いのですよ…ギギギ! 目に入れる光の位置や大きさで、表情が変わったりするので、何回か入れては消しします。 絵によっては、全体に光を飛ばすこともあります。 さて、完成です。おつきあいありがとうございました! 絵を統合した後、適度な大きさに変更して、写真屋の「web用に保存」で保存します。 「web用に〜」は、勝手に解像度72に変えて保存してくれるのでおススメです。 背景は、どこかから落として来た雪のブラシツールでちょいちょいと。 写真屋やsaiに落としているブラシやテクスチャは、〆切り前にアワアワしながら探してきた物が多いので、 どこから拾ってきたのか、分からないものが多いのです…(笑)パソ子壊れたらどうするんだ。 ■おまけ■ 何の役に立つか分かりませんが、よく使用する加工の小ネタ。 ・カラーハーフトーン 友人から教えてもらった効果です。 カラーハーフトーンで加工したレイヤーを、元レイヤーの上に置いて、レイヤーモードを変更するだけです。 ざっくり塗った絵でも、何となくオサレに見える気が…しなくもないかなと。 ・ぼかし効果 これまた、ぼかしで加工したレイヤーを元のレイヤーに重ねるだけですが。 ひっそりと「手抜きグロー効果」と呼んでいます(笑)。野郎よりも女子に使った方が愛らしさが引き立つかと。 元々は室内の窓ガラスの光とかランプの光の加工とかに使える効果でもあります。 ・明るさの中間値 これは線画を加工したもの。 写真屋のフィルタ→ノイズ→明るさの中間値(1.0)で線画をいじるとこんな感じになります。 水彩塗りとかと組み合わせると面白い効果が出るかな…と思いながら、上手く活用できずにいますが。 ・ |
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