俺屍学園・第六話【体育祭編】 『黙って俺についてきてくれ』

「おう、すまねェな、急に集まってもらっちまって」

鴻己は教室に集まった白組の男子達に向かって話を始めた。

「今日は体育祭の応援合戦の話をさせてもらいたくてよ。赤組はチアダンスをやるみてェだが、こっちは援団やろうと思ってるんだヨ」

そう言って鴻己は、みんなの方を真っ直ぐに見つめた。

「赤組に勝つにはよォ、お前らの力が必要なんだよ。どうせやるなら勝ちたいだろ?」

「そうだな、どうせやるなら勝たないとだよな。俺に出来ることなら協力するよ。皆だってそうだろ?」

樹は周囲の人々に目配せをして微笑んだ。
白組男子の面々は、頷いたり、肯定の返事をしたりする者だけで、否を唱える者は誰もいなかった。

「お!嬉しいじゃねェの!!ありがとうな、皆」

「お礼なんかいいっスよ!!応援団って何か楽しそうだし!!みんなでアツい感じなのがいいよな、春海!!」

寿希は拳を握りしめて目を輝かせながら隣に座っている春海に声をかけた。

「うん、楽しそうだよな!つーか、寿希燃えてるなぁ」

「当たり前だろ!勝負事だぜ!!俺、絶対赤組に負けたくねーし!!」

寿希のアツい思いに同意するように、飛影弥の目にも闘志の炎が燃えていた。

「俺も、皆に男らしいところ見せてやる!」

鴻己は皆の頼もしい言葉がとても嬉しかった。

「皆、慣れねェことかもしれねェがよろしく頼むな」

「そんなに改まるなよ、鴻己。…でも、赤組ってチアなんだよなぁ。いおりん負かしたかったのに。そうだ!いおりんにもチアやってくれるように頼んでみるか!」
羽純は笑いながら雅希に提案したが、雅希の方は真剣な顔で羽純に返答した。

「羽純さん、兄さんがそんなことするわけないじゃないですか。あまり兄さんをからかわないでください」

「真面目に答えるなよ〜。冗談だよ、冗談!」

羽純は雅希の肩をポンと叩いた。
明るく笑う羽純に対し、雅希はどことなく怪訝な顔をしていた。

「じゃあ、今後のこと少し話させてくれ。応援合戦でやろうと思ってる演舞の振り付けだけど、俺と悠馬で考えようと思ってるんだがいいか?」

「そうしてもらえるならありがたいです。素人の俺たちが考えるよりもずっといいものができると思いますから」

「僕も山吹の意見に賛成です。お二人にご迷惑かけちゃうと思いますけどよろしくお願いします」

山吹と諒に続くように、他の皆からも鴻己の意見に賛成する声が聞こえてきた。

「じゃあ、それでいこう!悠馬、わりィけどよろしく頼むな」

「俺でよければ、喜んで協力しますよ。俺も、赤組には負けてられませんから」

「そういや、妹さんあっちの組だったな」

「はい、兄としての面子もありますからね」

悠馬は照れるような笑いを浮かべた。

「俺も萌たちには負けられないな。あっちもかなり気合入れてるみたいだし」

龍魔の言葉に、聖秀は頷いた。

「何かそうみたいだよね。母さんが赤組は『女の子たちが歌ったり踊ったりして可愛いの!』って、はしゃいでたな…」

そこまで言うと、聖秀はどこか遠い目で空を見つめた。

「こっちはこっちで頑張りゃいいだろ。赤組が何しようと関係ねぇよ」

彼岸花はぶっきらぼうにそう言ったが、言葉にはやる気がみなぎっているように感じた。

「いいこと言うな。そうだよな、僕たちは僕たちでやれることやればいいんだよな!鴻己先輩、悠馬、困ったことがあったら俺たちも協力するんで、言ってくださいね」

「ありがとう、長城」

鴻己は長城に向かって微笑んで礼を述べた。
そして、真剣なまなざしで皆の方を見つめた。

「皆、絶対勝つから、黙って俺についてきてくれ!!」

鴻己の言葉に白組の皆が賛同し、皆の心が一つになった。


【今回の登場人物】
沙明浦 鴻己さん(おちょお夫人様宅)
九戸 樹さん(小松ナガオキ様宅)
林 羽純さん/林 雅希さん(綾子様宅)
水無月 悠馬さん(都筑樹葵様宅)
伊丹 長城さん(杉原様宅)
神代 飛影弥さん(コロもち様宅)
稲田 寿希さん(としこ様宅)
穂村 春海さん(穂村ゆき様宅)
七 聖秀(七夜宅)
大風 龍魔さん(望月木霊様宅)
高乃原 諒さん(咲也様宅)
此花 彼岸花さん(いちにの様宅)
花ノ宮 山吹さん(くらの様宅)

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シラトリ様宅の俺屍学園【体育祭編】の小説に、拙宅の聖秀がお邪魔しております!男子ばかりの会話と言うのもまた目新しいな…と思いながら、応援団をやると言う話に、皆さんの反応がそれぞれで可愛い&格好いいです。
拙宅からお邪魔している、聖英と聖秀は二人揃って白組になりました。流石双子…!と思いました(笑)。運動神経だけは良い二人なので、体育祭本番が楽しみなのですv

ところで、聖秀の母親・珠英は、日々保健室に入り浸ってて、赤組チアの練習風景にニヨニヨしてて、美人保険医さんに呆れられている…と言う話を、まんがにしたくてたまりません(笑)

シラトリ様、楽しいお話をありがとうございました!
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